胃・十二指腸潰瘍
胃からは、強い消化力を持つ胃酸が出て、食物を消化しています。そして、普通は粘液が胃全体
を覆って、胃酸から胃を守っているのですが、胃酸が必要以上に分泌されると、胃壁自体が消化
されてしまいます。この状態が「潰瘍」です。
潰瘍には5つのステージがあり、最内側の粘膜だけが浸食されるものから、外膜を貫通してしまう
ものまで、様々な症状が見られます。自覚症状としては、上腹部疼痛(特に空腹時)、吐き気、
胸やけ、潰瘍出血による黒色便などです。
主な原因は、ヘリコバクターピロリ菌の感染、ストレス、不規則な食事や刺激物の食べすぎ、
非ステロイド系抗炎症薬の服用があげられます。又、喫煙の関与も指摘されています。
治療法としては、原因が主にストレスの場合は、規則正しい生活をこころがけ、心身ともに
リラックスさせる事が必要です。又、非ステロイド系抗炎症薬の服用を制限する事も必要です。
ピロリ菌の感染によるものでしたら、除菌が必要です。ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息している
らせん状の細菌で、ピロリ菌に感染すると、胃に炎症を起こすことが確認されています。
胃・十二指腸潰瘍の患者さんの内、90%はこのピロリ菌の感染が原因というデータが発表
されています。ピロリ菌の感染率は、衛生環境と相関していると言われ、50歳以上の日本人の
70〜80%が感染しているとも言われています。
ピロリ菌を見つける検査は、内視鏡、呼気試験、迅速ウレアーゼテスト、血清抗体と多数あります。
除菌は、一般的に、アモキシシリン、クラリスロマイシン、PPIの組み合わせで行われますが、
副作用として、下痢が頻繁に起こる事、除菌後、5〜7%の患者さんに逆流性食道炎の症状が
見られる事、除菌後1〜数年後にピロリ菌が再度発見される率が40〜50%ある事から、
必ずしも有効な方法とは言えません。しかし、再発を繰り返している患者さんや、強力な
酸分泌抑制薬を投与しても改善が見られない患者さんには、必要な処置であると思います。
薬物療法としては、最も強力な酸分泌抑制効果のある薬に、プロトンポンプ阻害薬(PPI)があり、
代表的なものでは、オメプラール錠20mg、タケプロンカプセル30mgなどがあげられます。
胃潰瘍の場合、連続8週、十二指腸潰瘍の場合、連続6週の連続投与が必要です。
又、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、タガメット、ザンタック、アシノン、ガスターなども有効です。
いずれにせよ、早期発見の為、胃レントゲン検査、内視鏡検査を定期的に行うことが重要です。
特に40歳以上の横浜市在住、在勤の方は、市が行っている検査を有効活用なさって下さい。
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